老後のための貯金はいくら必要?人生100年時代に必要な貯蓄額は夫婦で2,160万円
老後に向けて少しずつ貯金はしているけど、今のままで足りるのか不安…
夫婦2人で老後もゆとりのある生活ができるのだろうか?
老後に備えて今からできることに取り組みたい
人生100年時代と言われるいま、老後に必要な資金をちゃんと用意できるのか心配している方は多いでしょう。
事実、84%の人が老後の生活に不安感を抱いており、その理由として公的年金や退職金だけでは不十分と考えてる人がたくさんいます。
(参考:公益財団法人生命保険文化センター – 老後の生活にどれくらい不安を感じている?)
このようななかで老後に備えるためには、計画を立てて日頃からコツコツ貯金をする、生活費を見直す、現役のときに資産を増やしておくなどが重要です。
そこでこの記事では、老後にどれくらいの貯金があれば暮らしていくことができるのか、年金はどらくらいもえらえるのか、貯金の方法や資産の増やし方について紹介します。
老後に不安がある人は参考にしてください。
目次
老後30年間の支出は夫婦で平均9,360万円、独身世帯は5,400万円
まずは夫婦と単身世帯の場合に分けて、老後にかかる平均的な支出を総務省の調査報告をもとに紹介します。
夫婦の場合
2019年総務省の家計調査によると男性65歳以上、女性60歳以上の夫婦ともに無職の世帯における1ヶ月あたりの平均的な支出はおよそ26万円です。※直接税や社会保険料含む
単純計算すると年間312万円、そこから30年間生きるとすれば9,360万円を支出することになります。
そのため同額の9,360万円のお金があれば、老後も平均的な生活を送ることができます。
<高齢世帯の支出内訳>
項目 | 金額 |
食費 | 66,458円 |
住居費 | 13,625円 |
水道光熱費 | 19,983円 |
家具・家事用品 | 10,100円 |
衣服など | 6,065円 |
保険医療 | 15,759円 |
交通・通信 | 28,328円 |
教育 | 20円 |
教養・娯楽 | 24,804円 |
雑費 | 20,845円 |
交際費 | 25,749円 |
仕送り | 1,134円 |
直接税 | 11,976円 |
社会保険料 | 18,966円 |
合計 | 263,792円 |
(参考:総務省 2019年 家計調査報告)
夫婦2人で余裕のある生活を送りたい方は月額の支出が36万円、老後30年生きるとするなら1億3,000万円が必要です。
独身の場合
また高齢単身無職世帯の支出はおよそ1ヶ月につき15万円。
30年生きるとして平均的な生活を送ろうとすると5,400万円かかることになります。
<高齢単身世帯の支出内訳>
項目 | 金額 |
食費 | 35,883円 |
住居費 | 12,916円 |
水道光熱費 | 13,055円 |
家具・家事用品 | 5,681円 |
衣服など | 3,659円 |
保険医療 | 8,445円 |
交通・通信 | 13,117円 |
教育 | 47円 |
教養・娯楽 | 16,547円 |
雑費 | 14,366円 |
交際費 | 15,258円 |
仕送り | 569円 |
直接税 | 6,245円 |
社会保険料 | 5,808円 |
合計 | 151,596円 |
ゆとりのある暮らしを送りたい方は1ヶ月の支出が22万円、退職後30年生きるとして7,920万円が必要と考えておくと良いです。
こちらで紹介した支出はあくまでも平均の額ですので、参考としてご利用ください。
人生100年時代に必要な貯金額 | 企業勤めの方がもらえる年金も含めて計算
企業に勤めていて、国民年金に加えて厚生年金に加入している方を例にすると、40年間納め続けた場合、平均で毎月約20万円を受給することができます。
内訳は基礎年金が56,000円、厚生年金が146,000円で合計202,000円です。
(参考:厚生労働省 平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況)
30年生きるとして、先ほど計算した毎月の支出額から年金受給額を引くと、必要な貯金額がわかります。
2人世帯で平均的な生活を送るのに必要な貯金:2,160万円
26万円(支出) - 20万円 (年金)= 6万円/月(赤字)
6万円 × 12ヶ月 × 30年 = 2,160万円
2人世帯で余裕のある生活を送るのに必要な貯金:5,760万円
36万円 - 20万円 = 16万円/月
16万円 × 12ヶ月 × 30年 = 5,760万円
独身世帯で平均的な生活を送るのに必要な貯金:なし。1,800万円の黒字
15万円 - 20万円 = 5万円/月の黒字
5万円 × 12ヶ月 × 30年 = 1,800万円の黒字
独身世帯で余裕のある生活を送るのに必要な貯金:720万円
22万円 - 20万円 = 2万円/月
2万円 × 12ヶ月 × 30年 = 720万円
年金についても納めた期間や、個人の年収や総収入などによって異なります。
具体的に将来もらえる年金額は日本年金機構のサイトから簡単に試算することが可能です。
資金計画を立ててコツコツ貯金する4つの方法
老後の貯金額を達成するための計画の立て方と例
上記で必要な貯金額を紹介しましたが、この金額を見てもっと貯金しないといけないと考えている方もいるでしょう。
そのような方にコツコツ貯金するポイントを紹介します。
その前にまずは一度資金計画を立てて、毎月どれくらいの貯金をすれば良いのか洗い出してみましょう。
やり方は簡単で紹介した金額を目標として決めて、現状の貯金額から差額を出し、定年までの年月で割ります。
統計によると30歳-39歳の2人以上の世帯の平均貯金額は529万円です。
わかりやすく530万円として、夫が35歳(定年退職65歳)の2人以上の世帯が老後も平均的な生活をするために必要な2,160万円を貯金するとして計算します。
<計算式>
2,160万円 - 530万円 = 1,630万円
1,630万円 ÷ 360ヶ月(30年) = 45,278円
そうすると1ヶ月あたり45,278円を貯金し続けていくことで目標額に達することがわかります。
コツコツ貯金するための4つのポイント
計算した目標を達成するために貯金ができていないという方は、以下3つの貯金する方法を実践しましょう。
- 明確な貯金の目標・目的を持つ
- ざっくり家計簿を付ける
- 外食・家事代行・ご褒美は収支に合わせてルールを決める
明確な貯金の目標・目的を持つ
貯金をするためには、最終的にどれくらいの金額を目指すのか決めておかないと毎月の貯金額がバラバラになってしまったり、どれだけ貯金しないといけないのかわからなくなったりします。
上述した資金計画の立て方をもとに、自分の状況にあてはめて一度目標額と毎月の貯金額を洗い出してみましょう。
ざっくり家計簿を付ける
家計簿をつけて毎月の収入と支出をおよそでいいので把握しておくと、貯金額を増やすために削ったほうが良い支出が見つけられます。
細かく1円まで把握する必要はないので、つけておくようにしましょう。
外食・家事代行・ご褒美は収支に合わせてルールを決める
支出を抑えて貯金するために外食やご褒美など、突発的な支出についてはルールを決めておくと良いです。
たとえば外食は月に1回何円まで、ご褒美はボーナスが入った月にいくらまでと決めることで、無駄遣いなどを防ぐことができます。
老後資金を増やしたいときは資産運用もおすすめ
ある程度貯金ができている人は、資産運用に挑戦して余裕のある生活を目指すのも良いでしょう。
資産運用に取り組むなら以下の6つがおすすめです。
- 投資信託
- 一般NISA
- つみたてNISA
- iDeCo(イデコ)
- 国債
- 株式投資
コツコツ資産を増やしていくのにとくにおすすめなのは、つみたてNISAとiDecoです。
つみたてNISA
つみたてNISAとは日本に住む20歳以上の人が、少額で長期の積立や分散投資をする際に、支援してくれる非課税制度のことです。
NISAよりも投資初心者などに優しい制度になっており、つみたてNISAの口座を開設することで、公募株式投資信託や上場株式投資信託への投資で発生する分配金にかかる税金が非課税になります。
投資額は毎年40万円までと通常のNISAに比べて少ないですが、20年間で最大800万円が非課税になるので、長期的に資産運用したい方におすすめです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)は自分で行う年金のことです。
iDeCo加入者は毎月一定の額を積み立てて、定期預金や金融資産を自ら運用して60歳以降に年金や一時金として受け取ります。
メリットとしては
- 積立金額がすべて所得控除の対象となり、所得税や住民税が節税できる
- 運用で発生した定期預金の利息や投資信託の利益が非課税になる
- 受け取りの際に公的年金の控除や退職所得控除の対象となる
ことがあげられます。
注意点としてiDeCoで積み立てたお金は60歳になるまで引き出せません。
しかし月額5,000円から日本に住む20歳以上であれば、誰でもはじめることができるので、資産運用が初めてでも非常に簡単です。
他にも通常の投資信託や株式投資、国債などの手段があるので、自分にあった方法を調べてみてください。
まとめ
以上、老後の貯金はいくら必要なのか、高齢世帯と独身世帯の支出と年金をもとに説明しました。
貯金は計画を立ててコツコツと行うことが重要です。
将来を見据えて今日から支出を見直したり、取り組める資産運用などを始めてみてはいかがでしょうか。
また紹介した資産運用に加えて不動産投資も老後のための、資産形成や年金対策になります。
興味のある方は不動産投資についても考えてみてはいかがでしょうか。