20代から始める資産運用 | 若い頃から貯蓄する6つの方法
“資産運用”は、「ある程度出世していて、ある程度年収があって、貯金もたくさんある30代・40代の人が始めるもので、自分にはまだ遠い世界のこと」と思っていませんか?
しかし実際は、20代だからこそ資産運用を始めるべきなのではという見方があります。少なくとも「20代で資産運用を始めるのは早急すぎる」ということはないでしょう。
ただ、これまで月々の給料のいくらかを、貯金に回すことで精いっぱいだった20代の若い人たちが、資産運用にチャレンジして”未来のお金をつくる”ためには、どうすればいいのでしょうか?
今回は、20代から始める資産運用の方法について、それに付する注意点などを踏まえつつお伝えします。
目次
20代の資産運用を始める前に確認する3つのポイント
- いつまでにお金が必要なのか
- いくらお金が必要なのか
- 損失が出ると仮定してどこまで耐えられるか
上記にまとめたのは、20代から資産運用を始める前に確認しておきたい3つのポイントです。
「いつ」「いくら」「損失への耐久性」、これら3つのポイントを最低限自分の中で明確化しておかなければ、自分のおかれている状況や目標に合う、資産運用方法を選ぶことは極めて難しいのです。
例えば、”いつまでにお金が必要なのか?”を考える必要があるのは、資産運用方法によって、リターンが生まれてくる早さが違うからです。
「来年に○○円まで資産運用で貯蓄を増やしたいな」と思っている人が、流動性の低い投資商品、あるいはロングリターンの資産運用方法をとっても、来年までには目標金額に届かないわけです。
また、収入の少ない人・収入の多い人によって、背負えるリスクの程度は、当然ながら異なります。
収入の少ない人が、ハイリスク・ハイリターンの資産運用方法に手を出すことが、きわめてリスクが高すぎるのは、深く考えずともお分かりかと思います。
ここまでお話した、3つのポイントをよく考えたうえで、自分にとってどんな資産運用方法が挑戦しやすいものなのか、次の項目でみていきましょう。
20代でも挑戦しやすい6つの資産運用方法
- 株式投資
- 国内債券取引
- 投資信託
- 貯蓄型保険
- 積立FX
- 不動産投資型クラウドファンディング
「20代から資産を運用する」とひと口に言っても、その選択肢は多数あります。
まだお金の使い方も貯め方も、そして増やし方も実感としてはよく分からず、お金を扱うことに不安がある20代のうちは、ローリターンでもリスクができるだけ少ない資産運用方法や、“味方”がいる資産運用方法を検討するとよいでしょう。
【1】株式投資
貯蓄初心者の人が「資産運用」と聞くと、真っ先に思い浮かびやすい方法が、株式投資なのではないでしょうか。
株式を買うだけ、しかも少額での購入ができるため、20代でも挑戦しやすい資産運用方法の1つと言えるでしょう。
自分が目をかけた企業が成長すること、これだけで達成感を得られて資産運用に前向きになれたという意見もあります。
また、株式投資を成功させようと思うと、自然に国内外の経済情勢や、企業の情報などを集めるようになるので、他の方法の資産運用を始める際の”基盤”ともなり得ます。
【2】国内債券取引
債権取引は、日本にお金を貸すと、満期(5年後)に利息が付いて返ってくるという仕組みを利用した資産運用方法です。
リターンの利率はごくわずか(0.05%)ですが銀行預金よりは良く、さらに取引先が「日本国」であるため、国が崩壊しない限りはリスクがきわめて少ないことが、債券取引のメリットです。
「貯金のスタンスで、できるだけリスクの少ない資産運用方法を試してみたい」という20代には、向いた方法であると言えるでしょう。
【3】投資信託
「資産運用の専門知識がまだ足りないだろう、だから怖い…」という20代の人は、投資信託を検討してみましょう。
投資信託は、”あなた”を含む複数の投資家から資金を集め、投資のプロが様々な商品へ投資を代行してくれる仕組みのことで、お金の知識がなく不安な人にも向いています。
また、分散投資されているのでリスクが小さいこともポイントです。
はじめて投資信託に取り組むなら、いきなり高利回りを狙おうとはせず、平均点(約5%の利回り)を狙っていくといいでしょう。
以下は、投資信託のポイントを簡単にまとめたものです。
・運用管理手数料(信託報酬)が安い投資先を探す
= 運用管理手数料は保有の間は支払い続ける「ランニングコスト」
・販売手数料が安いネット証券を探す
= 販売手数料は購入時にかかる「イニシャルコスト」(初期費用)
・インデックスファンド(指標に合わせて自動購入)を選ぶ
= アクティブファンド(人が手動購入)は手数料が高く、かつインデックスファンドの方が実は成績がいいと言われるため・過去の成績は無関係である
・運用管理手数料が高いため、毎月分配型は選ばない
ちなみに、投資信託というシステム自体は、初心者向けに限ったものではなく、幅広い層が利用しています。
玄人向けハイリスク・ハイリターン投資信託がある一方、投資初心者向けのローリスク・ローリターン投資信託もあるので、これから資産運用を始める20代は、後者のローリスク・ローリターン投資信託を行ってくれる会社を探しましょう。
【4】貯蓄型保険
「増やす」ことより「備える」ことに重きをおいた、慎重な資産運用を行いたい方は、貯蓄型の保険への加入がオススメです。
すぐさま大きなリターンがあるわけではないですが、それぞれの貯蓄型保険の満期後には、返戻金がこれまで積み立ててきた金額よりも多く入ってきます。(その一方、貯蓄型の保険の早期解約では損をするケースがあることに注意です。)
貯蓄型保険には、様々な種類があります。「低解約返戻金型終身保険」、「養老保険」、「学資保険」、そして「個人年金保険」が代表的です。
どの貯蓄型保険も、”今のお金を増やす”というより、”将来の生活に備える”イメージが強いことが、印象的ですね。
【5】積立FX
FXとは、外国為替証拠金取引のことを指します。外国為替相場に関する十分な知識がなければハイリスクであり、「初心者はFXに手を出さないほうがいい」という意見も多々あります。
しかし、FXの中でも”比較的”リスクの少ない手法があります。それが、積立FXです。
定期的かつ一定額で、外貨を購入する仕組みになっていて、円安・円高に関わらず投資額が平準化されます。簡単に言うと、定期預金に近い感覚でFXができるというわけですね。
積立FXは通常のFXよりも手数料が高く、平準化されるが故に大きな収益が生まれることはありません。
しかし、FXにおいて最も警戒すべき、激しい値動きによる損失リスクを抑えられる点では、20代の投資初心者にも易しい資産運用方法だと言えます。
【6】不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資は、数ある資産運用方法の中でも、ローリスク・ロングリターンを特性にする代表格です。
ロングリターンの不動産投資は、早く始めれば始めるほど、収益が生まれだす時期も早まるため、不動産投資そのものを20代のうちから始めても問題はないのですが、「ローンを組めるとはいえ、巨額のお金を投資するのは怖い」という人も多いでしょう。
この場合に有効なのは、不動産投資型クラウドファンディングです。
クラウドファンディングという言葉自体は、どんどん世の中に浸透しつつあるので、何となくでもイメージを掴める人が多いのではないでしょうか。そのクラウドファンディングが、投資用不動産購入でも活用されているのです。
多くの投資家からお金を集めて、1つの投資用不動産が購入・運用されるため、通常の不動産投資と比較して非常に少額(1 万円程度から)の出資で済むことがメリットです。
収益は、当然ながらお金を出し合った投資家に分配されます。投資用不動産の運用状況により、分配額が変動する可能性はありますが、これは通常の不動産投資でも同様なので、クラウドファンディングであるが故のデメリットとまでは言えないでしょう。
不動産投資型クラウドファンディングは、出資が少ない分、収益も大きくはありませんが、「ゆくゆくは個人で不動産投資をするつもりで、そのスタートアップがしたい」という人には特に、向いている資産運用方法かもしれません。
「そもそも不動産投資って何?20代からでも始められる?」と疑問を持たれている人は、下記コラムをご参照ください。
20代初心者での資産運用なら”お任せ運用”も有り
- 資産運用に関する勉強が間に合わない、このまま時間だけ過ぎてしまいそう
- 仕事で頭がいっぱいで個人で運用している資産を管理できるか分からない
- とにかく失敗やリスクが怖い …etc
上記のようなお悩みをかかえる方は、進化したテクノロジーや頼れる専門家に、どんな資産運用を行っていけばよいのか、判断を任せる方法があります。
初心者ならではの資産運用の悩みを多く抱える人は、以下のような方法も選択肢としてあることを、覚えておきましょう。
AI (ロボアドバイザー・AI投資信託など)
AIがどんどん発展していく現代、何とAIが1人1人にあった資産運用方法の提案、または運用まで行ってくれる時代になりました。
本当に細かなライフプランに適応した判断は、まだAIには難しいようですが、今後の研究でより緻密な判断ができるようになるのかもしれません。
感情が入らない機械的な判断を信用したい人、AI技術の進歩を資産運用の面から見てみたい好奇心がある人などに向いています。
FP (ファイナンシャルプランナー)
資産運用に限らず、”お金”に関することでとても頼りになるのがFP(ファイナンシャルプランナー)の存在です。
ファイナンシャルプランナーにも企業に所属している人と、独立している人がいます。
「特定の商品を紹介する必要性がない」、または「顧客の成功が自分の収入へ直結する」などの背景から考えると、本当に自分(FPから見た顧客)に合った資産運用方法を提案してもらいやすいのは、独立しているFPでしょう。
ただし独立系FP(IFA)は、個人の運用能力に差があることが分かりにくいので、慎重に選ばなくてはいけません。できれば、信頼できる人物から紹介を受けたFPから話を聞いてみる方が安心です。
< お任せ運用の注意点 >
AIでもFPでも、資産運用方法の選択を任せる場合に気をつけたいのは、必ず成功するわけではないことです。
専門知識がない初心者が資産運用を始めるよりも成功率は高いかもしれませんが、貯金とは異なり資産運用に”絶対”はありません。
「AIやFPの言う通りにしたら、資産が増えた!やった!」で終わりにするのではなく、どうして成功したのかをきちんと考えることが、資産運用に本気で取り組むなら絶対に必要です。
【まとめ】20代で資産運用を始める3原則
以上、20代で資産運用を始める人に向けて、挑戦しやすい6つの方法を紹介しました。
20代は自己投資に使うお金が多く、貯金の他に資産運用をするなんて考えたことがなかった人もいるかもしれませんが、例えわずかでも余剰資金を、貯金とは別の資産運用にまわすことで、将来設計に役立つお金が増えるかもしれません。
- 少ない金額から資産運用する
- 長い目で見た資産運用をする
- 積み立て式の資産運用をする
「将来の投資で取り戻せるかもしれないから、ハイリスクな資産運用方法をとってもいい!」という意見もありますが、将来の投資も必ず成功するとは限りません。
20代で一般的な収入を持つ人の場合は、上記3つのポイントを原則として、堅実な資産運用を行うことを推奨します。
資産運用などトータルライフサポートのことならグランヴァンにご相談ください。