ラップ口座とは?投資を一任する富裕層向け商品のメリット・デメリットを考察

投資関係の情報収集をしていると「ラップ口座」という言葉をよく耳にします。

「ラップ口座」とは、一体どのような投資商品なのでしょうか?

この記事では、

  • 「ラップ口座の仕組みは?」
  • 「ラップ口座の利回りは?」
  • 「ラップ口座のメリット・デメリットは?」
  • 「ラップ口座の業者にはどのようなものがあるのか?」

を挙げて、ラップ口座が投資対象として有望なものなのかどうか、検証していきます。

「ラップ口座」とはいったい何なのか?メリット・デメリットを整理


ラップ口座を知るにあたって、仕組みや利回り、メリット・デメリットをこちらで整理いたします。

「ラップ口座」の仕組み

ラップ口座とは、投資家が証券会社などの金融機関に対し、ある程度のまとまった資金を預けることで、資産運用を代理で行ってもらうことが可能な専用口座になります。

金融機関によって名称は様々ですが、一般的にはファンドラップやSMAなどと呼ばれます。

仕組みは簡単です。投資一任契約を投資家と運用会社とで締結し、資産運用に関する投資対象の選定や実際の取引、定期報告などを運用会社が行います。

投資一任契約とは、投資家が運用会社に対し、有価証券の投資判断の全部を託し、投資家に代わって投資全般を行うことです。

投資家は、一定の条件などを運用会社に伝えることで、その後の運用やレポートの作成などを代理でやってもらう仕組みといえるでしょう。

ラップ口座と投資信託とロボアドバイザーの違い

ラップ口座と比較される投資信託やロボアドバイザーとの違いはどのような点でしょうか。

まず投資信託との違いは、サービス対象の範囲と手数料が挙げられます。

投資信託は自分で銘柄を選んだうえで、投資のプロが運用します。一方のラップ口座は、こうした銘柄判断も一括して任せます。そのため手数料も、投資信託は取引毎にかかりますが、ラップ口座は年間単位で管理料を支払うことが一般的です。

ロボアドバイザーとの違いは、ラップ口座が対面で相談しながら進めるのに対し、ロボアドバイザーは、ネット上で自分の情報や条件を回答すると自動的に資産配分してくれる仕組みです。ラップ口座のほうがより身近に感じられるでしょう。

ラップ口座は基本的に富裕層向けと言われる投資で、最低投資金額は高めです。

近年登場した楽天証券の「楽ラップ」大和証券の「ダイワファンドラップオンライン」ではそれぞれ1万円と、その常識を破壊していますので、チェックしてみてください。

確定申告は、利益が20万円以上出れば必要ですが、個人向けの特定口座であれば運用会社が源泉徴収してくれるため、手間を取られることはありません。

「ラップ口座」の利回りは?決して高くはない?

ラップ口座の利回りはどの程度でしょうか。巷では年利10%といわれていますが、実態は大きく異なります。

まずラップ口座の運用利回りを計算する際には、運用実績からトータルの手数料を引いたものを使用します。これをネットリターンといい、この数値が高いほど利回りが高いといえます。

各社が発表するネットリターン(利回り)をみると、SMBCファンドラップの8.068%が一番高く、続いて三井住友信託ラップ口座、野村ファンドラップと続きます。2位以下は4%ほどの利回りとなっており、決して高い数値とはいえないでしょう。

そのためラップ口座で儲ける、ということは想像しにくく、もっと良い利回りを期待するのであれば他の金融商品を選んだほうが賢明でしょう。

ただその中でもラップ口座が注目される理由は、次項でも紹介する「資産運用を任せられる点」にあります。前述の通り、世の中の変化を注視したり、金融商品を再案したりする手間がない人や、知識があまりない人には良い方法でしょう。

「ラップ口座」のメリット

ラップ口座のメリットは主に以下の2つです。

  1. 資産運用を任せられる
  2. 分散投資が可能

 

  1. 資産運用を任せられる
    ラップ口座の最大のメリットは、資産運用を一括して任せられる点でしょう。投資家に最適な金融商品を紹介してくれるだけでなく、実際の取引や調査まで代理で行ってくれます。忙しい方や知識やスキルがあまりない方には良い方法といえるでしょう。
  2. 分散投資が可能
    分散投資のメリットは投資リスクを最大限下げることができる点。ラップ口座は日本株式や日本債券、外国債券、REITなど多種多様な運用を組み合わせられるため、投資リスクを下げることができます。

「ラップ口座」のデメリット

ラップ口座のデメリットは主に以下の4つです。

  1. 最低投資金額が比較的高額
  2. 手数料も比較的高額
  3. 運用成績が必ずしも良いとは限らない
  4. 手数料の高い金融商品を選ばれる可能性もある

 

  1. 最低投資金額が比較的高額
    前述の通り一般的なラップ口座(楽天証券と大和証券を除く)での資産運用では、最低投資金額が300万円ほどとなります。ロボアドバイザーが10万円ほどから資産運用できることを考えると、かなり高額だといえるでしょう。この点はデメリットといえそうです。
  2. 手数料も比較的高額
    ラップ口座を活用するにあたり運用報酬はもちろん、信託報酬や売買手数料などが発生することも。ネット証券を用いて個人で資産運用した場合、これらの手数料はほとんどかからないため、手数料は比較的高いといえます。運用が好調でも手数料を差し引けば利益を圧迫していた、というケースも考えられます。
  3. 運用成績が必ずしも良いとは限らない
    ラップ口座による運用は、ファンドマネージャーという投資のプロが担います。初心者より知識も経験もあるため成功確率は上がりそうですが、とはいえ元本が保証されているわけではありません。専門家の技量のみならず、情勢などにも影響されるため、必ずしも良い結果となるわけではありません。
  4. 手数料の高い金融商品を選ばれる可能性もある
    それぞれの金融商品は手数料が異なります。証券会社は手数料で利益を上げているため、成長が見込めない金融商品でも勧められてしまう可能性も。責任を一任する代わりに、不適切な運用となるリスクを内包しています。

ラップ口座のサービス展開と選び方


それでは、ラップ口座を展開する業者の代表例はどのような業者でしょうか。以下挙げていきます。

ラップ口座を提供する業者の代表例

ラップ口座名 ファンドラップ提供機関
SMBCファンドラップ 三井住友銀行
りそなファンドラップ りそな銀行
MUFGファンドラップ 三菱UFJ銀行
みずほファンドラップ みずほ証券
日興ファンドラップ SMBC日興証券
楽ラップ 楽天証券
ダイワファンドラップオンライン 大和証券
  • SMBCファンドラップ(三井住友銀行)
    三井住友銀行が提供するSMBCファンドラップは、最低投資金額が300万円。手数料プランには、資産残高に対して毎年一定の固定報酬型と、成果によって手数料が変わる成功報酬併用型があります。
  • りそなファンドラップ(りそな銀行)
    りそな銀行が提供するりそなファンドラップは、最低投資金額300万円。こちらも固定報酬型と成功報酬併用型から選択可能です。
  • MUFGファンドラップ(三菱UFJ銀行)
    三菱UFJ銀行が提供するMUFGファンドラップは、最低投資金額は500万円。手数料タイプは、固定報酬型と成功報酬型から選択可能です。
  • みずほファンドラップ(みずほ証券)
    みずほ証券が提供するみずほファンドラップは、最低投資金額は500万円。固定報酬型のみのプランと、固定報酬型・成功報酬併用型それぞれから選べるプランがあります。
  • 日興ファンドラップ(SMBC日興証券)
    SMBC日興証券が提供する日興ファンドラップは、最低投資金額が300万円。手数料プランは固定報酬型のみです。
  • 楽ラップ(楽天証券)
    楽天証券が提供する楽ラップの最低投資金額は破格の1万円。手数料タイプは固定報酬型と成功報酬併用型から選べます。
  • ダイワファンドラップオンライン(大和証券)
    ダイワファンドラップオンラインは大和証券が提供するもので、最低投資金額はこちらも破格の1万円。個人でも容易に取り組めます。手数料は年率1%です。

⇒ 楽ラップの詳細ページはこちら
⇒ SMBCファンドラップの詳細ページはこちら

特徴を踏まえた「正しいラップ口座の選び方」

ラップ口座を選択する際に重要なのが、運用実績と手数料です。運用実績から手数料を引いたものをネットリターンといいますが、この数値が高い商品を選択することが賢明です。

近年ではSMBCファンドラップが他商品に比べ圧倒的なリターンを得ています。2位以降は4パーセント程度なのに対し、SMBCファンドラップは8パーセント越えです。ネットリターンが高いものを選びましょう。

まとめ:ラップ口座投資の成功のポイントは適切なフィードバックと市場への目線


以上の内容から、ラップ口座で成功するには以下のポイントに気を付ける必要があります。

  • 運用会社の言葉を鵜呑みにせず、自分でも情報を追う
  • ある程度の資金を集めてから投資する
  • 投資する金融機関や金融商品はしっかり選ぶ
  • 運用実績から手数料を引いたネットリターンを重視する(利回りを重視する)

ラップ口座は、まとまった資金を運用者に口座ごと預け、運用を委任する投資方法です。やり方としては、非常に簡単に投資運用をすることができます。

業者の投資提案を鵜呑みにするだけではなく、株式市場の情報収集はしっかりとするようにして、「今、この時点でこの業者にお任せしておいてよいのか?何か大きな変動をむかえるポイントはあるのか?」を徹底的に考えるようにしましょう。

現在、新型コロナウイルスの影響で、産業構造や経済市場が大きな潮目をむかえています。リスクがない「お任せ」投資など無いのだ、という厳しさでもって、投資商品と付き合いましょう。

【おすすめ関連記事】

ロボットアドバイザーとは? | 投資信託との違いと注意点も解説

初心者向けほったらかし投資とは? | おすすめの方法・ブログ・本など分かりやすく紹介

⇒ 『グランヴァンタイム』の資産運用に役立つコラム一覧はコチラ!

関連記事