ボロ物件投資が小規模投資家に人気!?魅力とリスクを上手に利用
“ボロ物件投資”とは、築古の戸建て・アパートなどを購入して運用する、不動産投資スタイルの1つです。
特に地方には、数十万円単位で購入できるボロ物件も多く、高額なローンを組むことに抵抗がある人や、初期投資費用をできるだけ抑えたい人に注目されています。
今回の記事では、そんなボロ物件投資の基礎知識を、不動産投資の初心者にも分かりやすく解説!
まずは、ボロ物件投資のメリットやデメリットなどについてまとめています。
目次
ボロ物件投資の3つのメリット
- 高額なローンを組まなくてもいい
- 投資元本を回収⇒規模拡大までの流れが早い
- 築古物件に自ら価値を付けることにやりがいがある
【1】高額なローンを組まなくてもいい
築古物件は、新築物件と比較すると破格の値段で市場に出回っています。
単に物件としての価値が低かったり、現・大家が相続でその築古物件を継いだために、運用には全く興味がなく、「いくら安くてもいいから早く売ってしまいたい」と思っていたりするのが、その背景です。
お宝ボロ物件を探す人がよく言う、“200万円以下のアパート”や、“100万円以下の戸建て”も、地方にはあります。
200~300万円の価格であれば、ローンを組まずに現金一括(手持ちのキャッシュ)で、物件を購入することが可能。
「不動産投資に取り組みたいが、高額なローンを組むのは怖い」という人にとっての、大きなメリットです。
【2】投資元本を回収⇒規模拡大までの流れが早い
物件の購入価格が安く、入居者も離れずついている場合、投資元本を回収するまでが早いです。
一般的に不動産投資は、投資元本の回収まで数十年単位の年月がかかりますが、ボロ物件投資の場合、10年未満で投資元本を回収することが可能です。
そして投資元本の回収以降は、キャッシュフローが貯まりだします。
購入から数年後に貯まり始めるキャッシュフローと本業の収入などを元手にすれば、早いスピードで物件を買い進め、不動産投資の規模を拡大することができます。
【3】やりがいがある
ボロ物件投資に対し、他の不動産投資では得難い“やりがい”を持つ大家さんも多いようです。
自分のアイデアや運用術のおかげで、価値のないボロボロの物件が収益物件としてよみがえることに、純粋な楽しさが見いだされているのでしょう。
ボロ物件投資の3つのデメリット
- 修繕対応の手間がかかる
- 空室が出ないようにするための労力がかかる
- 金融機関からの融資がほとんど下りない
【1】修繕対応の手間がかかる
ボロ物件投資で目立つデメリットは、修繕に関する部分です。
その名の通り築古でボロボロの物件であれば、まず人が住める状態にするまでの、初期的な修繕費用が高くつきます(購入費用よりも修繕費用が高くなるかもしれません)。
最初に修繕対応をしていれば安泰なのかというとそうではなく、築古物件であればおそらく、修繕の頻度も高いでしょう。
頻繁に修繕工事の必要性が生じるとして、その1つ1つに迅速に対応する必要があるのは、物件の信頼を損ねないためですが、その手間暇の多さに悪戦苦闘する大家さんは少なくないのです。
【2】空室が出ないようにするための労力がかかる
安い物件には、安いだけの理由があります。やはり新築や築浅の物件と比べると、空室率が高い物件も多いです。
競合物件よりも不利な条件で、入居者を誘致するためには、建物管理会社・賃貸管理会社と連携を取りつつ、大家自身も時間をかけた情報収集をする必要が常にあります。
不動産投資全体として、楽に儲けが出るようなものではないですが、ボロ物件投資に挑む場合は、並み以上の労力が不可欠と考えるべきでしょう。
【3】金融機関からの融資がほとんど下りない
先ほど、ボロ物件投資のメリットの項目で、「(ボロ物件は)高いローンを組まなくても済む」ことを述べました。
ただ、そもそもボロ物件の場合は、金融機関からの融資を受けようと思っても、下りないことがほとんどなのです。
その理由は、物件に担保としての価値がないからです。
「現金で一括購入できる」という利点は、“購入する”立場だからこそ生まれます。
逆の立場、すなわち“売る立場”になると、ローンを組めないことは少々厄介。
物件を手放したい場合も、「現金で一括購入できる人」を待つ必要があるので、なかなか買い手がつかなかったり、買い手を何とかつけるために売却価格を下げなくてはいけなかったりします。
ボロ物件投資で才能が活かせる大家とはどんな人?
ここまでのボロ物件投資のメリットやデメリットを総合的に考えてみると、ボロ物件投資で才能が活かせる大家がどんな人なのか、思い浮かんできます。
新築物件投資の場合、1%の利回りの差が非常に大きいのですが、ボロ物件投資の場合、1%の利回りの差よりも、大家のアイデアが収益に反映される傾向があります。
ボロ物件のDIY・リフォームを最小限にするアイデアや、地域の入居者層の行動パターン・思考パターンから考えた物件の差別化のアイデアなどで、同じ物件でも利回りが大きく変わるのです。
情報収集や修繕対応に割く時間があり、アイデア豊富な人がボロ物件投資向き
上記を踏まえると、ボロ物件投資で才能を活かせる大家とは、情報収集や修繕対応に割く時間と労力を確保できて、入居者を途絶えさせないアイデアがある人に限られてしまいます。
現金一括払いでローンを組まずに投資用不動産を買いたい人や、投資にやりがいを感じたい人の全てが、ボロ物件投資に向いているのかというとそうではないのです。
実際、ボロ物件投資はボロ物件投資“専門”のコンサルタントがいるほど、特別で難しいもの。
その人のライフスタイル・性格・投資の目標によっては、ボロ物件投資ではなく、新築区分マンション投資に挑むほうが、難しくないかもしれません。
少なくとも、「安いから」という理由だけでボロ物件投資を選択するのは危険です!
【まとめ】「安いから」でボロ物件投資は始めず、他の投資方法のメリット・デメリットと比較するべき!
以上、ボロ物件投資のメリット・デメリットについて解説しました。
ボロ物件は「安く買える」ことが大きなメリットですが、「運用の仕方が難しい」「手間がかかる」というデメリットも有しているので、別の種類の不動産投資のメリットやデメリットと、しっかり比較しておくべきだと考えます。
【様々な種類の不動産投資のメリット・デメリットに関するコラム】
また、本記事と同時公開のコラムでは、ボロアパート投資によくある失敗や、ボロアパートの選び方についても紹介しています。ぜひ併せてご覧ください!
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