区分マンション投資を選ぶ5つのメリット | どんな人に向いている?
不動産投資について情報を集め始めたばかりの人は、「不動産投資を始めるなら、まずは区分マンション投資がオススメ」という意見を1度は耳にしたことがあるかと思います。
ただ、これだけでは以下のような疑問が頭に浮かぶこともあるでしょう。
- どうして区分マンション投資がオススメなの?
- 区分マンション投資にどんなメリットがあるの?
- 自分に区分マンション投資は向いているの?
今回は区分マンション投資に対し、上記のような疑問を持たれている人に向け、区分マンション投資を選ぶメリットや、自分に区分マンション投資が向いているかどうかを考える時のポイントを、お伝えしていきます。
【そもそも】区分マンション投資とは?
投資用マンションを区画単位(部屋単位)で購入し、運用を行うこと。
目次
区分マンション投資を選ぶ5つのメリット
- 空室が出にくい好立地の物件を運用できる
- 管理の手間がほとんどかからない
- 災害後の修繕費用など、突発的かつ大きなお金がかからない
- 元の投資金額が少ないので、金利上昇の影響に比較的耐えやすい
- 流動性が高く売却しやすい
数ある不動産投資方法の中から、区分マンション投資を選ぶメリットは、主に上記5つのポイントが挙げられます。
「他の不動産投資方法って何?」ということが気になる人は、下記コラムを併せてご覧ください。
【1】空室が出にくい好立地・好条件の物件を運用できる
区分マンション投資を選ぶと、入居者が決まりやすく空室が続きにくい、好立地・好条件のマンションを安く購入し(目安2000万円~)、運用することができます。
“駅に近い”などビジネスパーソンにとっての好立地、そして“新築”など好条件のマンションを、丸ごと一棟購入・運用しようとすると、個人では出せないレベルのお金(目安1憶円~)が必要で、普通に暮らしている人にとっては、ローンを組むとしても非現実的な金額であると言えます。
かといって立地条件が悪い、設備などグレードが低い格安マンション・アパートは、確かに一棟買うためのハードルは低いですが、空室が長く続いて赤字運用になるようでは、投資としては失敗です。
そうした投資不動産選びのジレンマが少ないのが、区分マンション投資。
「所有物件のグレードは落としたくないけど、億単位の購入をすることはできない」という人にとって、区分マンションは安くいい部屋を購入・運用できるという面で、メリットが大きいのです。
好立地・好条件の投資用不動産の選び方を詳しく知りたい人は、下記コラムを併せてご覧ください。
【2】管理の手間がほとんどかからない
区分マンションの多くが、そのマンションに居住している住人による管理組合を経由して、管理会社にマンションの管理を委託しています。
そのおかげで区分マンションのオーナーは、定められている管理費用を支払う代わりに、共用部分の掃除や設備の点検・修理、マンション外構の植栽管理など、手間のかかることをほとんど管理会社に一任することができるのです。
マンションを購入して“から”大変なのは、上記で述べたようなマンションの管理であることを、意外にも見逃している人が多いです。
特に、仕事(本業)が忙しいビジネスパーソンにとって、「自分でマンションの管理をする必要がない」というメリットは大きいでしょう。
ちなみに一棟マンション投資・運用の場合、自主管理をするか、あるいは管理会社選びを自分で行わなくてはいけません。
一棟マンションの自主管理は、先述したように手間暇がかかり、副業として不動産投資に取り組む人にとって、負担が大きいです。
そして、マンションの管理会社選びに失敗する(設備のチェックや共用部分の掃除を怠る、入居者募集のレベルが低いなど)と、空室率の増加すなわち”収益の減少”に繋がってしまいます。
「いい投資用不動産管理会社を選ぶためにはどうしたらいい?」と思う人は、下記コラムを併せてご覧ください。
【3】災害後の修繕費用など、突発的かつ大きなお金がかからない
区分マンション運用の場合、先述した月々の管理費用と同じように、修繕積立費を支払います。
この修繕積立費は、他のオーナーが支払っているぶんと合わせて、マンションの大幅修繕工事が必要になった時に充てられます。
“マンション全体として修繕に備えているお金”があることで、10~20年に1回の定期的な修繕工事だけではなく、地震など予測できない災害や事故によって、突発的に大規模な修繕工事が必要になった場合にも、すぐに対応できます。
オーナー1人が所有マンションの修繕にかかる費用を、慌てて捻出する必要はないのです。
一棟マンション投資の場合も、いつ起こるかしれない災害や事故に備えて、自身の管理で修繕費を別にコツコツ準備しておく必要があります。
しかしマンション投資の利益が少ない間に、「管理費」と別に「修繕費」も効率よく積み立てていくことは、かなりの”やりくり上手”でないと、なかなか難しいでしょう。
【突発的な修繕費用の発生は、こんなに大変!】
仮に「地震でマンションの外壁が崩れて、すぐに修繕工事を行わなくてはいけない!」という状況に陥った時。
1000万円以上かかることは”ざら”なマンション外壁修繕でも、各区画のオーナーから修繕積立金を集めている区分マンションなら、そのお金ですぐにでも工事に着手できます。
しかし、1人で1つのマンションを所有している場合、その1000万円は自分で準備する必要があります。
1000万円を直ちに支払える状況だとしても、やはり予期せず1000万単位の貯蓄が消えることのダメージは、決して軽いものとは言えませんよね。
また、もしも修繕積立を自分で全く行ってこなかった場合、最悪の場合“自己破産”を申請する必要すら出てきます。
お金が足りなくて、必要最低限の場所のみ修繕工事を行う場合のリスクも高いです。
外観から安全性の乏しさを感じる物件には、住みたくない人が多いはず。つまり、入居者率の低下に繋がるのです。
【4】元の投資金額が少ないので、金利上昇の影響に比較的耐えやすい
破格で売り出されている地方の中古マンション・アパートでない限り、基本的には一棟マンションよりも区分マンションのほうが、安く購入することができます。
しかも、立地条件などを妥協せず、豊富な選択肢から空室率の少ない物件を選びやすいことは、先ほどにも述べた通りです。
不動産投資ローン(アパートローン)を組んで、不動産を購入・長期間の運用を行う場合、避けて通れないのが金利上昇リスクです。
ただ、もともとの投資額が少なければ、仮に金利が徐々に上がっていくとしても、耐えられる期間が長い(許容範囲が広い)です。
※もちろん、個人の経済状況にもよります。
例えば、「1憶円のローン」を組んだ人が、金利上昇の結果「利子込み2憶円」の返済を行う、つまりプラス1憶円の返済に耐えなくてはいけない状況の場合。
同じ状況下に「2000万円のローン」を組んでいる人は、「利子込み4000万円」の返済をしなくてはいけませんが、プラスで返済する金額は2000万円で済む。
上記は、分かりやすいように極端な数値で作ったシミュレーションで、5年に1度しか金利が変わらない「5年ルール」など、投資家に対する救済措置も考慮していません。
ただ、“少ない投資額で金利上昇が起きた場合”と、”大きな投資額で金利上昇が起きた場合”には、プラスでかかる返済額の負担がまったく異なることは確かであり、少額不動産投資の1つである区分マンション投資に、金利上昇による負担が少ないこと、これは充分なメリットであると言えるでしょう。
よく区分マンション投資が「不動産投資初心者にオススメ!」と言われるのは、金利上昇を想定したうえでの、ローン返済のしやすさが一因しています。
【5】流動性が高く売却しやすい
基本的に不動産は、株などと比較して売却しにくい、流動性の低い投資商品とされます。
確かに「マンションを丸ごと一棟ほしいなぁ!」と思っている人は、きわめて稀なはずです。
しかし区分マンションの場合は、他の種類の不動産と比較すると、売却はしやすいです。
投資用あるいは入居用に「マンションのひと部屋がほしい!」と思っている人の母数は、少なくとも「一棟マンションを丸ごとほしい!」と考えている人よりは多いでしょう。
いざという時の損切りのしやすさ・手の引きやすさも、区分マンション投資を選ぶ大きなメリットなのです。
区分マンション投資にはデメリットもある
「空室が出にくい好立地の物件を運用できる」、「管理の手間がほとんどかからない」など、数ある不動産投資方法の中から、区分マンション投資を選ぶことには様々なメリットがあることを、ここまで詳しく説明してきました。
では区分マンション投資が特に優れていて、万人が選ぶべき不動産投資方法なのかというと、決してそうではありません。
区分マンション投資は、不動産投資全体のデメリットとは別に、区分マンション投資だからこそのデメリットを有していることも、知っておかなくてはいけません。
主なデメリットは「オーナー権限の弱さ」と「特定条件の空室リスクの強さ」
例えば、区分マンション所有のオーナーは、他の部屋のオーナーとの兼ね合いがあり、自身の判断のみで部屋のリフォームや入居条件の変更(ペット可にする等)、家賃の値下げなどを行うことができません。
さらに、ひと部屋しかマンションを所有していない場合、その部屋が空室になれば、家賃収入はゼロになってしまいます。
管理会社の良し悪しも含め、慎重に購入する部屋を選ばなくては、大きな損失を被る可能性があります。
区分マンション投資における、その他のデメリット
他にも「一棟マンション投資と比較して、区分マンション投資は収益性が低い」、「提携金融機関の審査方針が積算評価だと、融資が付きにくい」など、区分マンション投資には区分マンション投資ならではのデメリットが、複数存在します。
つまり、区分マンションのメリットだけを聞いて、デメリットは深く考えず区分マンション投資を選ぶことは、得策ではないのです。
「区分マンションのデメリットについて、もっと詳しく知っておきたい!」という人は、下記コラムを併せてご覧ください。
メリットではなく「自分に合っているか?」で区分マンション投資をするかどうかを決めよう
- 空室が出にくい好立地の物件を運用できる
- 管理の手間がほとんどかからない
- 災害後の修繕費用など、突発的かつ大きなお金がかからない
- 元の投資金額が少ないので、金利上昇の影響に比較的耐えやすい
- 流動性が高く売却しやすい
以上、区分マンション投資を選ぶ5つのメリットについて、詳しく解説しました。
この記事で取り上げた、区分マンション投資のメリットは、特に”不動産投資初心者”にとって心強いものばかりであることは確かですが、その一方では、メリットに気を取られてついつい視野を狭めた結果、区分マンション投資のデメリットを見逃すことがないように、心構えをしておきたいものです。
- 少ない資金で不動産投資を始めたい
- 金利上昇のリスクは許容しにくい
- 他の方法の少額投資もしたい ……etc
上記のようなケースでは、区分マンション投資に軍配が上がりやすいかもしれません。
しかし、「空室が出ないよう、入居条件は臨機応変に変えていきたい」とも考えている場合は、いちオーナーの権限が少ない区分マンション投資であることが障壁となるため、一概に「区分マンションが優れている!」とは言い難いのです。
「区分マンション投資が優れているのか?優れていないのか?」といういささか極端な判断ではなく、この記事でお伝えしてきた区分マンション投資のメリット・デメリットを総合的に考慮したうえで、「自分の資産運用の方針に符合しているかどうか?」で、投資用不動産の種類を決めなくてはいけないというのが、今導くことができる結論です。
「初心者だからそんな判断は難しい!」という人は、初心者向け不動産投資セミナーに積極的に参加して情報をできるだけ多く集めて、実際に不動産投資の専門家のもとへ相談に行くことを推奨します。
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