不労所得の作り方 | はじめてでも自分に合う方法を見つけるためのヒント
◆「不労所得」の定義とは?
労働の対価として得る賃金・報酬以外による所得を指し、働かずとも得られる収入または収入源という意味で用いられることが多い
―― Wikipedia「不労所得」より抜粋
「給与の他に不労所得がある、余裕のある暮らし」に憧れている人は多いです。
“不労所得を作る”ことは、資産形成・資産運用にも密接に関わってくる事柄なのですが、“では実際にどうやって作るのか?”を考えると、意外と難しいですよね。
そこで今回は、数多くある不労所得の作り方の中から、初心者向け・堅実派向けの不労所得の作り方を主に解説していきます。
また、「自分に合った不労所得の作り方をじっくり考えたい!」という人に向けた、考え方のヒントにも触れますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
“不労所得=何もせずお金が入る仕組み”ではない
前提として不労所得は、“何もしないでお金がどんどん入ってくる所得を指すのではない”ことを理解しておかなくてはいけません。
「お金を稼ぐために労働するのではなく、お金自身に働いてもらう」というのが、不労所得を表すにあたって分かりやすい表現ですが、これを少々楽観的にとらえすぎてしまう人がいます。
もちろん、「何もしないで勝手に所得が生まれる」といった都合の良い話はほぼ無く、“お金自身が働くための環境づくり”は、人の手で行わなくてはいけません。
ただその手間の大小やリスク、難易度などが、不労所得の作り方によって違います。
これを踏まえたうえで、不労所得の作り方にはどんな種類があるのか、次の項目で取り上げました。
【堅実派向け】5種類の不労所得の作り方をピックアップ
- 駐車場経営
- 株式保有
- 投資信託
- 不動産投資
- アフィリエイトブログ
【1】駐車場経営
空き地に駐車場あるいは駐輪場を整備し、契約してくれた人から支払ってもらう利用料が、不労所得となります。
不労所得を生み出せる状態になるまでの初期投資費用が少ないことが利点で、遊休地(※1)の活用方法としても人気があります。
“常に満車の経営”ができる場所なら、収益性は高く安定していると言えるでしょう。
(※1 遊休地とは、土地の取得・相続後、2年以上目的をもって活用されていない土地のことを指します。)
【2】株式保有
株式投資について、「①毎日株価の情報をチェック」「②積極的に売買」、「③その差益を“儲け”にする」イメージが強いですが、株で得られるリターンはそれだけではありません。
不労所得の概念に基づくなら、上記のような売買差益よりも、配当金と呼ばれる“株を保有しているだけで入ってくるお金”をピックアップしておきたいところです。
現金という形ではありませんが、同じく株式を保有しているだけで得られる様々な株主優待も、広義的には不労所得と言えるのかもしれません。
【3】投資信託
元手となるお金をファンドマネージャーに預けて、そのファンドマネージャーがうまく動かして元手から増やしたお金も、不労所得と捉えることができます。
“不労所得の作り方として”の投資信託の利点は、実際の運用をプロに任せるため、自分にお金・投資の専門知識がなくてもよいことや、自分の時間を割かずに効率よく不労所得を増やしていけることなどにあります。
【4】不動産投資
自分が賃貸用不動産のオーナーになって、入居者から支払ってもらう家賃収入は、不労所得としても最もイメージしやすいものの1つではないでしょうか。
融資を受けて投資用不動産を購入する場合、実際に家賃収入が大きな不労所得になるのは、ローンの完済後です。
しかし「生命保険の代わりにできる」など、不動産投資の家賃収入以外の利点を含めれば、不労所得の作り方として、検討する価値が十分にあります。
初期投資できる費用(ローンの頭金など)があり、「不労所得になるのは先でもよくて、その代わり入る時期が来たらたくさん入ってほしい……」という人に合いやすい方法でしょう。
【5】アフィリエイトブログ
アフィリエイトブログとは、記事内で紹介した広告主の商品・サービスが売れた場合に、広告主からブロガーに対して報酬が支払われるシステムを取り入れたブログのことを指します。
1つアクセスを集める記事を書けば、その後は放っておいても広告主の商品・サービスが売れ続け、何もしなくても広告主から報酬が入る、ある種の“理想的な不労所得の作り方”と、言えるのではないでしょうか。
アフィリエイトブログの成功談で、必ずと言っていいほど出される売上金額は、まさにケタ違い。
ただし、アフィリエイトブログで大きな不労所得を得ることは、決して簡単なことではありません。
最近は、ネットユーザーがネットの情報を吟味し慣れてきたこともあり、オリジナル情報(一次的情報)が評価されつつあります。
そのため、無理にアフィリエイトの報酬単価が高い分野でブログを作るのではなく、本当に自分の得意な分野で無理なくリアリティのある内容が書けるブログを作ったほうが、いいのかもしれません。
【その他の不労所得の作り方】
・貸し看板
・自動販売機の設置
・スペース貸し
・太陽光発電
・書籍や動画などコンテンツの販売
・YouTubeの広告収入
・Google AdSense広告の掲載による収入 ……etc
オススメの不労所得の作り方は……
「すべての人にオススメできる」あるいは「確実に稼げる」、「すぐに稼げる」というような不労所得の作り方はありません。
“オススメの投資方法を決めることはできない”のと同じく、不労所得の作り方も人それぞれに得意分野・苦手分野があるためです。
それを踏まえたうえで、以下では「○○の場合、しいて言うなら……」という仮定をしてみましょう。
「リスクの低さ」でしいて言うなら銀行預金・国債
損失をする可能性がきわめて低い不労所得の作り方を選ぶなら、銀行預金や国債があります。
ブログの作成・コンテンツの販売なども、法律に触れることをしない限り、損失リスクはほぼ生じないのですが、“そもそも利益が出ない”というまた別のリスクが生じるため、ここのピックアップからは外しています。
◆ 銀行預金は「元金の確保性」が高い
預金は元金の確保性が高く、基本的には預けたお金から減ってしまうことはありません。
とはいえ、「銀行預金は不労所得を作ることとは関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、実際はわずかですが金利が発生します。
特に何もしなくても、銀行に預けている期間によって少しずつ元手(=最初に預けたお金)が増えていくため、預金も広義的には不労所得の作り方の1つと捉えてもいいでしょう。
より大きな不労所得を得るために、海外の銀行へ預金する人も多いですが、銀行そのものの倒産リスクの他にカントリーリスク・為替の変動リスクが生じるため、リスクが少ない不労所得の作り方とは言いがたいです。
◆ 国債は「国にお金を貸す」ため損失リスクが低い
銀行預金よりももう少し高い金利を、損失リスクが低いまま得るための方法が、個人向け国債の保有です。
国債は、国にお金を貸す・投資することなので、いつトラブルが起こって倒産するのか正直分からない、いち企業へとお金を貸す・投資することよりも、安心できます。
ただし銀行預金のように、いつでもお金を手元に戻せるわけではないことに注意です。
「手軽さ」でしいて言うならロボットアドバイザー投資
近年、主にスマホ・タブレットにインストールしたアプリから行う、ロボットアドバイザー投資が注目されています。
特に“投資一任型”という、計画・投資信託先の選定・実運用、これら全てを任せられるタイプのロボットアドバイザー投資は、時間がない人や資産運用経験がない(浅い)人が、手軽に挑戦しやすい不労所得の作り方かもしれません。
しかし、いくら高性能AIによる数学的な運用でも、それがやはり“投資”である以上は、損失リスクが発生します。
自分に合った不労所得の作り方を見つけるヒント
先述したように、万人に向いた不労所得の作り方はありません。
「どんな方法なら自分のモチベーションが続き、うまくいかなかった場合でも生活を脅かさないのか?」と、しっかり自己分析をして、“自分の”不労所得の作り方を選ぶ必要があります。
自己分析を行う際は、「時間をかけることができるのか?」それとも「資金をかけることができるのか?」が大きなヒントとなり得ます。
以下、とある3人の人物像から、「時間」と「資金」を主軸にした自己分析の仕方を、一緒にシミュレーションしてみましょう。
【例1】サラリーマンが挑戦する不労所得の作り方
・時間は「かなりない」
・資金が「ある」
+α「パソコンを使える」
上記のようなサラリーマンの場合、どんな不労所得の作り方が向いていると考えられるでしょうか?
「時間はないが資金はある」ことを踏まえると、委託してお金を増やす仕組み、投資信託系がいいかもしれません。
また、仕事の経験からパソコンを使えるのであれば、自分でメディア(サイト)を作り、Google Adsense広告の審査を通して、広告収入を得る方法も有利でしょう。
【例2】専業主婦が挑戦する不労所得の作り方
・家事の合間の時間が「ある」
・資金は「使いたくない」
+α「節約料理に自信あり」
上記のような専業主婦の場合、どんな不労所得の作り方が向いていると考えられるでしょうか?
この主婦の場合、「楽しく取り組んでそれがうまくいって収入になったら嬉しいな」というような気持ちであり、初期投資をしたり損失リスクを背負ったりしてまでは、不労所得を作りたくないのです。
であれば、ブログやYouTubeなど、お金を使うとしても楽しく使えて、家事の合間など空いた時間を有効活用できる、クリエイト系の不労所得の作り方が、向いているのかもしれません。
「節約料理に自信あり」という強みを生かせば、収入にうまく繋げられる可能性が高まりそうです。
【例3】老後の生活が不安な30代の不労所得の作り方
・時間は「あると言えばある」
・資金も「あると言えばある」
+α「長期的な資産運用をするつもり」
最後に一緒に考えてみたいのは、上記の条件に当てはまる、老後の生活が不安な30代の不労所得の作り方です。
この30代の場合、特に自分の老後生活のことが気にかかっています。
「老後にゆとりをもって暮らしたい、そのために今から時間をかけて不労所得をコツコツ積み上げておきたい」という考えなので、iDeCo(個人型確定拠出年金)や、長く運用することで収益性が高まる不動産投資が、まず候補に挙がりそうですね。
「備える」という観点から不労所得の作り方を考えよう
以上、不労所得の作り方と、自分に合った作り方を選ぶためのヒントについて、情報をまとめてきました。
基本的に不労所得はすぐに得たり、莫大に得たりするのは難しい所得です。
厳密には「すぐに莫大に儲ける」という方法もなくはありませんが、初期費用がかかったり、リスクが大きかったりするため、堅実に資産を増やしたい人には向かないものでしょう。
ただし、不労所得を生む“つもり”で資産形成に取り組むことは、もちろんいいことです。
「儲ける」という観点ではなく、まずは「備える」という観点から、自分に合った不労所得の作り方を考えてみてはいかがでしょうか?