【2020年】太陽光発電投資の現状と今後の展望を考察する【FIT法の行方】

 

太陽光発電設備が投資対象・投資商品になってから、8年ほどになろうとしています。

「リスクが少なく安定して利回りが出る」ことから、太陽光発電は投資対象として非常に人気がありました。

しかしここ1年くらいで、「太陽光発電投資は終わった」「もう太陽光発電投資はしないほうがいい」という声が聞かれるようになりました。

 

それはいったい何故なのでしょうか?

 

この記事では、2020年の「太陽光発電投資の現状や今後の展望」を考察していこうと思います。

 

太陽光発電が投資対象になったのは2012年FIT法改正による「電力全量買取」が始まり

 

2009年11月1日に「再生可能エネルギーの普及」という目的のもと、「固定価格買取制度(FIT法)」という再生可能エネルギーを電力会社が買い取る制度が始まりました。

 

2012年7月1日には対象を「太陽光発電以外の再生可能エネルギー」にも拡げ、余剰電力買取制から全量電力買取制に制度を変更しました。

この制度変更により、「太陽光発電」は、太陽光パネルを家屋の屋根に設置し家で使い切れなかった電気を売るだけではなく、パネルを空き地などに設置し、全ての発電した電力を電力会社に20年間固定の価格で売ることができるようになりました。

 

実際に発電した電力を売った金額を太陽光発電設備を導入した費用で割った利回りが不動産投資などより良く、管理コストも低くリスクが比較的少なく安定していたことから、投資対象として近年人気を博していました。

40円から14円に下がった買取価格:買取価格の推移

その利回りを左右する買取価格は、国が毎年決めていました。

 

制度開始時の2012年度の買取価格は40円/kwhで、事業性が非常に高かったものの、年々買取価格は下がっていき、2019年度の買取価格は14円/kwhになっています。

買取価格の推移は以下の表を参考にしてください。

【年度ごとの太陽光発電売電価格】

年度 kwhあたりの売電価格(全量買取の場合)
2012年度 40円
2013年度 36円
2014年度 32円
2015年度 ~6月30日

27円

7月1日~

29円

2016年度 24円
2017年度 21円
2018年度 18円
2019年度 14円
調達期間 20年

 

FIT法の立法趣旨から考えると、「20年の電力の固定買取」はいずれなくなるものだった

このように、太陽光発電の全量買い取りにおける買取価格は年々減少しています。

2016年度から2018年度は24円→21円→18円と3円づつ減少していたので、2019年度は15円という予想がされていたのですが、実際はそれを下回る14円になってしまいました。

このまま買取価格が下がっていき、「20年の電力の固定買取」という仕組み自体がなくなってしまうのでしょうか?

 

残念ですが、答えは「なくなります」。

 

2019年6月12日に経済産業省が、「風力、太陽光発電を含む再生可能エネルギー固定価格買取制度(通称:FIT)の2020年度中にFIT (一部)の法改正と廃止の方針」を公表しました。

あくまで方針なので、決定事項ではありませんが、政府はこのような流れでFIT法廃止に向けて議論を進めている、と思われます。

 

FIT法で買取する電力の原資は、「再エネ賦課金」という名目で国民の負担で支出されていました。

もともとのFIT法の立法趣旨は「再生可能エネルギーを普及させる」というものでした。

ある程度再生可能エネルギーが普及した現代(まだまだ足りないともいえますが)、この国民の負担とのバランスが議論されるようになり、その流れからFIT法廃止の議論が強くなってきたのがFIT法廃止の大きな理由になります。

2020年のFIT法廃止後は入札制度の新設や新しい買取制度の導入が議論

この議論が進み2020年にFIT法が終了するとしたら、その後の太陽光発電の電力買取はどうなるのでしょうか?

2020年のFIT法廃止後は、新しい入札制度の導入や、卸電力価格に市場プレミアムを上乗せして買取を行うFIP制度の導入も議論されていますが、いずれにせよ以前のような「投資対象」としての事業性を期待することはできないでしょう。

太陽光発電投資の事業性は?そろそろ限界?

それでは、最後になるかもしれない2019年度の14円・20年という買取価格で、「太陽光発電」は投資の対象になりえるのでしょうか?

 

答えは、「14円であればギリギリ投資対象として機能」します。

 

太陽光パネル市場の生産力の向上、価格の低下や太陽光発電業界の企業努力により太陽光設備の設置のコストカットが進み、FIT買取価格が14円になっても、市場の平均利回りは10%台をキープできています。

2019年度にFIT14円の権利を取ることができれば、「10%台利回りの太陽光発電投資をすることは可能」です。

 

2019年度のFIT権利の取得申請は12/20で終わってしまった

しかし、今から新規で太陽光発電の14円売電権利を取得することはできなくなってしまいました。

 

2019年度は最後のFIT申請になることが濃厚なことから、申請が殺到し事務作業が増えることを予想し、例年だと1月中旬~2月上旬であった経済産業省へのFIT申請締め切りを2019年の12月20日にしたのです。

 

ならば、もう太陽光発電投資はできないのでしょうか?

太陽光発電投資業者は売電権利取得済みの土地や太陽光発電所を持っているので、今でも投資は可能

答えは、「太陽光発電投資」は今からでもできます。

 

土地に売電権利を取る申請は締め切ってしまったものの、締め切り前に売電権利を取得した土地であれば、実際に発電所を設置するのが来年や再来年の場合でも、申請時の価格で売電収入を得ることができます。

太陽光発電投資業者は、太陽光発電投資商品の販売用にたくさん土地を仕入れ、売電権利を申請して持っています。

そのような土地に太陽光発電所を設置することにより、「申請した売電価格での太陽光発電投資事業」を始めることができます。

大方の太陽光発電投資業者は「表面利回り」で利回りを計算しているので必要なことをしっかり質問しよう

売電価格14円であっても、「太陽光発電」には投資商品としての価値はまだまだあります。

とはいえ、いくらコストカットが進んだといっても24円のときより14円のほうが利回りが落ちてしまうのはある程度仕方のないことです。

利回りが10%を越えているのが見栄えが良いから、と太陽光発電投資業者が売電権利付きの太陽光発電設備を販売するときに「表面利回り」で利回りを計算し表示しているケースを最近の物件ではよく見かけます。

太陽光発電投資業者に問い合わせをしたら、必ず「設置場所の日照量を考慮した売電・利回りシミュレーション」と「表面利回りと実質利回りの両方」を出すようにしてもらい、可能な限りのリスクを想定しながら、太陽光発電投資を検討するようにしましょう。

まとめ:太陽光発電投資は投資手法としては今後不透明だがまだまだ事業性はある

全量電力買取のFIT法は2020年以降廃止されてしまい、太陽光発電投資の展望としては不透明な部分も多いです。

 

しかし、全量買取の権利がついた太陽光発電所や権利がついた土地を持った太陽光発電投資業者がたくさんいますので、そちらを利用して太陽光発電投資をすることができ、以前と同じようにリスクが少なめで安定した利回りを出すことが可能です。

 

投資を御検討の際は太陽光発電投資業者に、

「設置場所の日照量を考慮した売電・利回りシミュレーション」と、

「表面利回りと実質利回りの両方」

を必ず出してもらうようにしてください。

 

また、太陽光発電における最も大きなリスクは、「台風」「浸水」のリスクです。

業者が提示した物件の立地条件と気候のリスクは必ず質問・調査するようにしてください。

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