“経済危機の歴史”に学ぶ | コロナ不況に備えるために必要なコト

コロナ危機

 

今、コロナウイルス感染症が人命に、そして経済に甚大な影響を及ぼしています。

 

経済危機には4つの段階があって、景気後退⇒不況⇒恐慌⇒大恐慌の順に危機のレベルが上がっていきます。

そして此度のコロナによる不況は、「このうちの大恐慌レベルまで悪くなるのではないか」とする意見があるほど、多くの人に大きな不安を与えているのです。

 

そこで今回の記事では、“過去に何度も世界が直面した歴史上の経済危機”を3つピックアップ。

歴史上の経済危機で何が起こり、どう立ち直ったのかを今1度確認し、これから起こるかもしれないコロナ不況にどう備えるべきかを、考えてみましょう。

【1929年~】世界大恐慌

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多くの国で1929年に始まった世界大恐慌は、「20世紀で最も長く深刻な経済危機」との見方が多く、その悪影響は第二次世界大戦が始まるまで続きました。

 

1929年から1932年の間に、世界の国内総生産(GDP)は推定15%以上減少。恐慌の発端となったアメリカでは、失業率が23%まで上昇しました。

《世界大恐慌と日本》大震災などの影響で弱った日本経済に危機をもたらした

世界大恐慌の発生時、日本経済は関東大震災などの影響を受けて弱っており、他の国と同じく危機的状況に陥りました。

都市では就職困難者や失業者があふれ、さらに当時凶作に見舞われた農村では、欠食児童が多数出るほど貧困問題が深刻化。

 

1935年に公共土木事業が打ち切られると、日本で生活できなくなった人が、大陸へと渡るケースが多く見られました。(=昭和農業恐慌)

《世界大恐慌からの回復》各国の経済政策と金本位制の放棄

各国が策定した経済政策(代表的なのはアメリカのニューディール政策)のほか、世界大恐慌からの回復するきっかけになったと言われるのが、金本位制の放棄です。

 

国によって世界大恐慌から立ち直った時期は異なるのですが、基本的に「金本位制を早くに止めた国ほど、早く景気を回復させることに成功した」との見方が強いです。

【1973年~】オイルショック

オイルショック

1973年に勃発した第四次中東戦争の影響で、原油の供給逼迫および原油価格高騰が2度発生。

これによって起きた世界的経済危機を、第一次オイルショック(1973年)、そして第二次オイルショック(1979年)と言います。別名で「石油危機」や、「石油ショック」とも。

《オイルショックと日本》経済危機の象徴となった“買い占め騒動”

オイルショックは、日本の高度経済成長を終焉させる結果となりました。

……が、このオイルショックにおいて、低迷した経済よりも一層象徴的なのは、市民の買い占め運動です。

 

トイレットペーパーや洗剤など、原油価格とは直接関係ない物資の買い占めが起こり、売り場は大パニックとなりました。

以降も、日本に経済危機の兆しが見えるたび(記憶に新しいのは東日本大震災)、買い占め問題が起こり続けていることは、2020年のコロナ危機でも明らかです。

《オイルショックからの回復》石油依存の脱却

オイルショックにより、先進国で使うエネルギーが、いかに中東から輸入する石油に依存していたのかが、明白になりました。

 

再び原油価格の高騰が起こっても、深刻な経済危機に陥ることがないよう、以降各国では原子力発電・風力発電・太陽光発電など、非石油のエネルギー生産方法を模索し、石油に依存しない社会を目指し始めます。

 

こうした動きは、オイルショック後の経済を立て直す、潤滑油としても大いに機能したと言えるでしょう。

【2008年~】リーマン・ショック

リーマンショック

まだ記憶に新しい深刻な経済危機といえば、アメリカの投資銀行『リーマン・ブラザーズ・ホールディングス』が経営破綻したことをきっかけに発生した、リーマン・ショックです。

(ちなみに「リーマン・ショック」は和製英語であり、世界的な通称は「2008 financial crisis」や「the financial crisis of 2007–2008」となっています。)

 

サブプライムローンの崩壊が招いた世界的金融不安は、ほどなく銀行の貸し渋りに発展、多くの企業が倒産し、失業者が急増する事態となりました。

《リーマン・ショックと日本》「派遣切り」や「雇い止め」の深刻化

リーマン・ショック発生直後、日本は一部の金融会社が影響を受けたものの、直接的な影響は軽微でした。

 

しかし、世界で連鎖的に起こる金融危機が、やがては日本景気の後退を招き、非正規雇用の契約を更新しない雇い止めや、派遣社員の契約を打ち切る派遣切りが相次ぎました。

 

この危機を脱するため、日本政府は2009年に「経済危機対策」を発表。定額給付金の給付など、印象的な対策が行われました。

《リーマン・ショックからの回復》過去の経済危機で得た教訓を活かす

回復には時間がかかったものの、リーマン・ショック対策には過去の経済危機で得た教訓が、多く活かされました。

 

大胆な金融緩和金融機関への公的資金注入により、貸し渋りなどが起き不安定だった金融仲介機能を、着実に回復させていったのです。

歴史上の経済危機で得た教訓は、コロナで起こりうる不況に活かせる

世界 人々

上記で挙げた経済危機のほかにも、香港が発端の世界的株価大暴落「ブラックマンデー(1987年)」、そして日本国内の経済危機として印象的な「バブル崩壊(1991年)」など、人類は周期的に、多くの経済危機と対峙してきたことが分かります。

こうした経験から、もしもコロナによる不況が起きた場合に何が活かせるのか、私たちはしっかりと考える必要があるでしょう。

 

そのうちの1つは、経済危機は人々の思考にも大きな影響をもたらすと1人1人が自覚する”ことです。

オイルショック後のエネルギー革命などは、経済危機に影響された思考が、良い結果をもたらした好例です。

 

しかしその一方で、経済危機に影響された思考が、世界大恐慌から第二次世界大戦への時代や、買い占めによるパニックが起こったオイルショックの時代に、事態をより悪い方向へと持っていってしまったこともまた事実です。

 

このコロナ禍でも、不足しがちな物資の転売や、「自粛警察」に代表される過度な相互監視など、明らかに経済危機の不安が影響したモラルのない行為が、経済に苦しむ人々を心理的にも苦しめています。

命とお金の両方を守るために、人としての矜持を守ることも、おろそかにしてほしくないものです。

【まとめ】

コロナ危機

以上、コロナ禍の今だからこそ知っておきたい、歴史上の経済危機についてまとめました。

withコロナ / afterコロナの資産運用では、「経済危機の混乱に、自分の判断力が影響されているかもしれない」と考えることが必要でしょう。

 

経済的にも心理的にも、辛抱する時間が長く不安な今だからこそ、過去の経済危機に国がどう対処し、人々がどう乗り切ったのかを調べることが、大きな支えとなるはずです。

 

コロナ禍では観光業や飲食業などが、経済的に大きな打撃を受けていることは日々のニュースで分かりやすいです。

しかしそれは氷山の一角であって、おいおい影響が如実にあらわれてくる業界もあるでしょう。

 

各業界に投資している人は、全体経済を把握するための“感度”を常に他人よりも高めておき、今のような非常事態下では何がリスクになるのかを知っておくことが必要ですね。

 

 

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