不動産投資のローン審査の基礎知識 | 審査の流れも紹介

不動産投資ローンのイメージ

 

不動産投資をされる方の多くが、不動産投資ローンを組んで、不動産を購入して運用します。

そこで気になるのは、”不動産投資ローンそのもの”についてです。

 

  • 不動産投資ローンの審査は厳しいのか?
  • どういった基準で審査されるのか?
  • どうしたら不動産投資ローンの審査に通るのか?

上記のようなお悩みを解決する、不動産投資ローン審査の基礎知識をまとめてみました。

不動産投資ローンの審査は厳しいか?

結論からいうと、「通常の住宅ローンの審査よりも、不動産投資ローンの審査は厳しい」です。

“住む”ために住宅を購入する融資が住宅ローンである一方、”人に貸して利益を生む”ために住宅を購入する融資が不動産投資ローンです。

 

不動産投資は賃貸経営であるという側面から、不動産投資ローンの審査を通り融資を受けるためには、事業性があると認められることが必須です。

 

そのため、一般的な住宅ローン審査よりも不動産投資ローンの審査は厳しく、その代わりきちんと審査に通れば、一棟マンションのような高額の融資を受けることが可能になるのです。

 

なぜ不動産投資ローンの審査は厳しいのか、“不動産投資ローンと住宅ローンとの違い”を踏まえると、より分かりやすくなります。

不動産投資ローンと住宅ローンの3つの違い

  1. 金利の違い
  2. 審査基準の違い
  3. 不動産投資ならではのリスクを踏まえた審査難易度の違い
    ※金融機関により違う場合があります。

 

不動産投資ローンと住宅ローンの主な違いは、上記3点です。それぞれの違いのポイントを、以下で簡単に説明しました。

【1】金利の違い

現在住宅ローンの金利は、低金利政策・マイナス金利政策などの影響から、平均して0.4~2%程度に留まっています。

 

一方不動産投資ローンの金利は、都市銀行・地方銀行・ノンバンク・信託銀行など、金融機関の種類によって差が大きく、0.5~10%と、基本的には住宅ローンの金利よりは高めに設定されています。(平均値は、2~5%であるようです。)

 

不動産投資ローンの金利が高い理由には、不動産投資が事業として成立するかどうかが重要で、成立しなければローン返済が滞るリスクがあるため、貸し付け側の立場からすれば融資した金額を早めに回収しなくてはいけないことが挙げられます。

【2】審査基準の違い

後で詳しく後述しますが、住宅ローンでも不動産投資ローンでも、審査される”項目”はほぼ同じです。

ただし、審査の”基準”あるいは”視点”には、大きな差があります。

 

住宅ローン審査の場合、個人の返済能力を主に見られます。

不動産投資ローンの審査においても、個人の返済能力は重要なのですが、それに加えて“ローンの対象となる物件の収益性”が重視されます。

 

「この物件で本当に儲けが出て、ローンの返済が滞るリスクはないのか?」と、入念に審査が入るわけですね。

【3】不動産投資ならではのリスクを踏まえた審査難易度の違い

不動産投資には、不動産投資ならではのリスクがあります。

  • 空室率の増加による家賃収入の減少で、
    貯金を崩してもローンを支払えなくなる
  • 不動産そのものが天災などによりダメージを受ける
    ※担保としての価値もなくなってしまう

 

住宅ローンと比較した場合、不動産投資ローンは上記のような不確定要素を多く有しているため、簡単にローン審査を通してしまうことは非常にリスキーです。

 

「厳しいローン審査で融資を行っても安心な方を選びぬき、できるだけ安定した回収を行いたい」ということが、各金融機関の本音だと思われます。

 

投資マンション運用中のリスクにはどう備える?6つのリスクとその対策

不動産投資ローンの審査で見られるポイント

不動産投資ローンの審査イメージ

先述したように、審査の項目については、住宅ローンと不動産投資ローンの間に大差はありません。

ただし、それぞれの審査項目をクリアするためのハードルは不動産投資ローンの方が高く、物件そのものの収益性を重視されることは、不動産投資ローンの審査ならではの特徴と言えます。

 

以下では「個人の信用力」「物件の収益性」の2つに分けて、具体的にどういった点を見られるのか、まとめました。

個人の信用力に関する7つの審査ポイント

 

1.自営業か雇用される側か

自営業なのか、サラリーマンなどの被雇用者なのかで、ローンの通りやすさは変わります。

自営業や経営者の場合は収入が安定していないと見なされて、不動産投資ローンの審査に通りにくいです。

 

 

2.勤務先が安定しているかどうか

大手上場企業に勤める方、それに準ずる企業に勤める方、公務員の方など、勤務先が安定していて大手であるほど、ローン返済の安定性が見込まれて、不動産投資ローンの審査に通りやすいです。

 

一方、設立年数が浅い企業や、資本金が少ない企業、経営状態が良くない企業に勤める方の場合、不動産投資ローンの審査は非常に厳しいものになります。

 

 

3.勤続年数が長いかどうか

一般的に、勤続年数が3年未満の場合は不動産投資ローン審査に通りにくく、逆に勤続年数が長ければ長いほど不動産投資ローン審査に通りやすいと言われています。

 

 

4.年収が安定しているかどうか

不動産投資ローンの審査を通るために、年収が高いに越したことはありません。

ただし勤続年数が浅い場合や、営業職でよくあるインセンティブ(ノルマ達成による報奨金など)により、給与が安定していない場合は、不動産投資ローンの審査に通りにくいです。

 

例えば前年度の年収は良かったが、前々年度の年収が悪い人の場合、「今年からの年収は大丈夫なの?」と厳しく見られるわけです。

 

 

5.自己資金があるかどうか

年収同様、リスクに備えられる自己資金はあるに越したことはないですが、厳しい審査により信用に足る人物だと判断された場合、そこまで高いハードルにはなりません。

 

ただし併せて住宅ローンを組んでいたり、借入額と返済額の割合によっては、多額の自己資金が必要になるケースもあります。

 

 

6.過去に金融事故などを起こしていないかどうか

これまでの他の借り入れに関して、長期延滞・代位弁済・債務整理・自己破産などの金融事故を起こしていないかどうかは、不動産投資ローンの審査において、厳しく見られるポイントです。

 

金融事故の履歴がある人は、信用できないと見なされ、不動産投資ローンが下りないケースがよくあります。

ただし金融事故には”時効”のようなものもありますので、金融事故の程度によっては問題にされず、審査に通るケースがあります。

 

 

7.団体信用生命保険に加入できる健康状態であるか

不動産投資ローンを組む場合、団体信用生命保険に加入しなくてはいけません。

そして団体信用生命保険に加入するためには、一般的な健康状態であることが重要視されます。

 

現在何らかの病気に罹患している場合や、病歴に脳梗塞などの重病がある場合は、団体信用生命保険加入のための条件を満たしていないため、不動産投資ローンの審査に通りにくくなります。

物件の収益性に関する審査ポイント

物件の収益性イメージ

不動産投資ローンの審査では、先述した個人の信用力とともに、物件の収益性が重要視されます。ここが、住宅ローン審査との大きな違いです。

 

不動産投資ローンを組む際は、ローン対象の物件そのものが担保とされます。

そのため、“ローンを支払ってもらえなくなった時、その物件を取り上げて、ローンの残債が回収できるかどうか”を見定めることが、各金融機関にとっては個人の信用力と同じくらい重要になるのです。

 

その物件に収益性が見込まれるのか、担保として十分な価値があるのかどうか決める判断基準は、各金融機関によって違うので、一概には言えません。

 

そのうえで例を挙げるならば、地方のアパートなど、”空室になったあと未入居状態が長く続きそうな物件”は収益性・担保価値が低いとみなされ、不動産投資ローンの審査に通らないことがあります。

一見通りそうで不動産投資ローンの審査に通らなかった人の例

不動産投資ローンに通らなかった人の例

不動産投資ローンの審査に通らなかったAさん(男性)
年齢 38歳
年収 800万円
居住 一戸建て
(住宅ローン支払い毎月15万円)
プリウス新車購入3年目
勤務先 ベンチャー企業勤続1年目(役員)
資本金は1000万円
配偶者 あり(パート勤務)
子ども 2人あり

 

一見、不動産投資ローンを組みやすそうに見える上記Aさん(38歳男性)ですが、ある1つの項目が審査にひっかかり、不動産投資ローンを組むことができませんでした。

ちなみに、Aさんはあらゆるお金の支払いに遅れたことはなく、重い病歴もありません。

 

ではなぜ、不動産投資ローンの審査に落ちてしまったのでしょう?

 

問題となったのは、Aさんの勤務先です。

年収については800万円と問題はありませんが、Aさんの勤める企業は設立2年目のベンチャー企業、そこにヘッドハンティングで入社して1年という条件が、不動産投資ローンの審査に不利にはたらきました。

 

将来を期待されるベンチャー企業とはいえ、設立からの年数は浅く事業が安定していないので、倒産する可能性が高いことを挙げられ、結果として不動産投資ローンの審査を通せなかったということです。

 

つまり、年収が悪くなくても健康でも、金融事故が1度もなくても、審査基準が厳しい不動産投資ローンの場合は、どれか1つでも何らかの項目をクリアできなければ、審査に通らない可能性があり得るのです。

不動産投資ローンの審査の流れ

流れ(項目) 何をするのか
【1】アポイントメント・交渉 ローンについての相談
【2】申し込み 申し込み書の記入・申し込み金の支払い
【3】契約書発行申請 契約書発行申請書の記入
【4】重要事項の説明・売買契約 署名捺印・手付金の支払い
【5】必要書類の回収 ローン書類とその他必要書類の記入・提出
【6】ローン打診 個人信用情報の照会待ち
【7】面談(金消契約) ローン契約の実行
【8】決済 中間金と諸費用の支払い・融資実行
【9】引渡し 引渡し書類

 

最初の相談から、不動産投資ローンの審査を通過し、実際に融資を受け始めるまでには、上記のような流れがあります。

それぞれの段階に応じて、必要な書類をアナウンスされますので、抜けがないようにきちんと準備に取りかかりましょう。

不動産投資ローンの審査に通るために重要な2つのこと

不動産投資ローンの重要ポイント

厳しい不動産投資ローンの審査に通るためには、個人の信用情報と、物件の利益性の双方が高水準であることが条件だと、ここまでで述べてきました。

 

数々の審査項目の中でも、特に重要なのは「勤務先」「勤続年数」です。

先ほど例に挙げたAさんのように、他の審査項目を高い基準でクリアしていても、「勤務先と金属年数に不安あり」と判断されれば、不動産投資ローンに通らないケースはよくあります。

 

3年以上、大手企業に勤めていることに勝る、不動産投資ローン審査を通過するための好条件は、なかなか無いかと思います。

 

とはいえ、必ずしも上記条件を満たしていなければ、不動産投資ローンの審査に通らないということではなく、各審査項目をバランス良くクリアしているかどうかが、審査の分かれ目です。

もし不動産投資ローンの審査に落ちてしまったら?

不動産投資ローンの相談イメージ

「不動産投資ローンの審査に落ちてしまった…」からといって、不動産投資を諦めることはまだ早いです。

 

別の金融機関であれば問題なく審査に通ったというケースも多いので、1回ダメでも他の金融機関でローンを組めないかどうか、試してみる価値は十分にあります。

ちなみに、金利が低い金融機関ほど審査は厳しく、金利が高い金融機関ほど審査が緩いという傾向が見られるようです。

 

また、投資不動産販売会社によって、提携している金融機関が違うため、不動産投資ローンの審査に落ちてしまった可能性もあります。

 

不動産投資ローンの審査に通らなくて行き詰まった場合は、投資不動産販売会社に相談してみるのも1つの手です。

「この物件なら、不動産投資ローン審査に通りやすいかも?」などといった、物件視点からのアドバイスができます。

 

 

不動産投資ローンの審査に落ちてしまい悩んでいる方はグランヴァンにご相談ください。

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