不動産投資はレバレッジ効果を利用し賢く運用|その魅力と注意点とは
不動産投資に興味を持っている方なら「レバレッジ効果」という単語を目にしたり、「レバレッジが利くのもメリットですよ!」という営業トークを耳にしたりしたことがあるかもしれません。
では、この「レバレッジ」とは、一体何かご存知でしょうか?
今回は、不動産投資のレバレッジ効果の仕組みやメリット、デメリットとしての注意点を紹介します。
目次
そもそも「レバレッジ」とは?
「レバレッジ」とは、本来は理科(物理)で扱う「テコの原理」、つまり小さな力で大きなものを動かすことを指します。
さて、このテコの原理が不動産投資にどう関係するのでしょうか?
実は、レバレッジは経済用語としても使われ、一言で言うなら「少ない資金で大きな資本を元とした利益を得ること」です。
つまりは、融資を受けた分で出せる利益のことで、不動産投資では、「ローンを使って少ない自己資金で高額の不動産を運用する」という意味合いで使われています。
自己資金が少なければ少ないほど、レバレッジ率が高いと言えます。
なぜレバレッジ効果が不動産投資のメリットとなるのか
先ほども少し触れましたが、不動産投資はレバレッジ効果を大きく期待できる投資先と言われており、不動産投資のメリットとして「レバレッジが利く」という点があげられることもあります。
簡単に言うと、次の2つがメリットです。
- 少ない資金で大きな資産をつくれる
- 自己資金を手元においてリスク分散が可能
【1】少ない資金で大きな資産を運用できる
借り入れにより、ほとんど自己資金を使わず、大きな資産運用を始めることができます。
具体的には100万円の自己資金で3000万円の不動産を購入するために2900万円の融資を受けて運用し、本来100万円では得られるはずもなかった、不動産運用における家賃収入を得ることができるようになります。
また、一度に高額の借り入れが出来るので短期間で利益を増やせるというメリットもあります。
以下で、少しシミュレーションしてみましょう。
1年間100万円づつ貯めたとしても3000万円のマンションを購入するまでに30年かかり、そこからどれだけ家賃収入が丸々入ったとしても、30年前と30年後にマンション経営を始めた人の収支の差は歴然ですよね。
30年ローンを組んで30年前にマンション投資を始めた方は、自己資金1万円ほどで毎月運用できた場合、30年間で360万円しかお金を使わずマンションを購入できたようなものになります。
当然、そこからマンションを売却しても家賃収入を得つづけても、プラスになることは明確です。
購入したばかりの時の家賃は8万で徐々に下がって30年後は7万円になったとしても、マンションに人が住んでいる限りは家賃が入ってきてプラスです。
なにより、東京の23区内の人気エリアであれば30年前に3000万円で買ったマンションを2000万円で売ることも可能かもしれません。
上記の条件から、30年前にレバレッジを利かせてマンション投資をしていた人が、30年後に売却したと仮定すると、1640万円の儲けがでます。
逆に、30年間貯金したお金で購入したマンションをその時点で売却したとしてもマイナスにしかなりません。
よって、レバレッジを利かせてマンション投資をすると30年間で1640万円以上の資産の差ができてくるわけです。
【2】自己資金を手元においてリスク分散が可能
不動産投資にかかる自己資金を最小限にとどめて、複数の対象に投資し、投資のリスク分散をすることも可能です。
レバレッジ効果がデメリットになる3つのケース
レバレッジ効果はいつでも不動産投資の味方となるわけではありません。
次の3つのケースでは、逆にデメリットにもなりますので注意が必要です。
- 金利が大幅に上昇した場合(=逆レバレッジ)
- 自然災害で倒壊などが起きた場合
- 空室が続く場合
金利の上昇により、金利分の支払いが収益を上回る恐れがあるほか、自然災害や空室により、本来入るはずであった家賃収入がなくなると、見込んでいた収益が得られなくなり採算が合わなくなります。
物件購入前に知っておきたいレバレッジ効果の3つの注意点
さらに、レバレッジ効果を期待している人ほど気をつけていただきたい、3つの注意点を紹介します。
- レバレッジの高さで物件を選んではいけない
- 誰でも十分な融資を受けられるわけではない
- レバレッジ効果を期待して借り入れをしすぎない
【1】レバレッジの高さで物件を選んではいけない
そもそもの話ですが、不動産投資は、長期運用により安定的な収益を得られることが特徴の投資です。
大きなレバレッジ効果が見込まれる物件は、利回りも高く設定されている物件、つまり家賃が高いか物件価格が安い物件が多く、もしかすると、その高利回りは長続きしないものかもしれません。
そうなると、空室が続いたり、家賃を下げる必要が出たりと、結果的には想定していた収益を得られないことがあります。
【2】誰でも十分な融資を受けられるわけではない
「あまり貯金がないから不動産投資は諦めていたけどこんな方法があるんだ!早速始めたい!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、融資は誰でもいくらでも受けられるものではありません。
次のような要因で決まる、個人の信用情報でによって借り入れ限度額が決められ、その範囲内での融資しか受けることができません。
- 年収
- 勤続年数
- 勤務先の規模(従業員数・小さい会社の場合は資本金など)
- 他社の借入れ状況
信用状況によっては、全額ローンを組めるのではなく、頭金としていくらか自己資金の用意が必要となる可能性があります。
また、「上場企業で年収も高いし、他にローンも組んでないから大丈夫……」と思いきや、「過去にクレジットカードの滞納などをしていたせいで、審査に通らなかった……!」という結果もあるので、日頃から注意が必要です。
【3】レバレッジ効果を期待して借り入れをしすぎない
デメリットの章でも触れましたが、レバレッジ効果は金利上昇で逆に不利な状況になります。
借入額が大きければ大きいほどローン金利が上がったときに金利による損失が増えていきます。
金利の変動を読むことは難しいですが、返済に苦しまない程度の借り入れにしておくことをおすすめします。
レバレッジ効果は不動産投資の大きなメリット!上手に融資を利用しよう
不動産投資のレバレッジ効果についてお分かりいただけたでしょうか?
「あの人、どうやってマンションを買うお金を貯めたんだろう……?」というサラリーマン大家さんは、このレバレッジ効果を使い、ローンを組んで不動産投資を始めていたのです。
今回紹介したように、借り入れには注意も必要ですが、少ない自己資金で大きな資産運用を始められるのは、不動産投資ならではの大きなメリットです。
「不動産投資はまとまったお金がないと難しいかな……」と思っていた方も、ぜひ一度検討してみてくださいね。